児玉靖枝展　Dec 11- 19 ,2021

京都東山山裾の一角に小さな果樹園がありました。
中心に桃色、白、黄色、３本の梅の大木が立ち、その周囲を夏蜜柑、金柑、カラタチなどの柑橘に囲まれていました。２年前の秋、大型の台風の直撃で、白梅が根こそぎ倒れてしまいました。そのまま放置されていた倒れ梅は自身の状況を知ってか知らずか、翌年の春に満開の花を咲かせたのです。その光景は、凄まじさと滑稽さ、切なさが綯交ぜになって私の目を奪いました。
「asile」自由領域．
人為、自然の猛威、様々な外的力に翻弄されながらも与えられた環境の中で自らの命を全うする、植物のそんな様を絵画行為の中に引き出せないかと試みました。